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2024年10月31日

初の特定技能・航空の外国人材の受け入れ。「西鉄エアサービス」辞令交付式開催
木津社長、「中長期的な人事戦略のもと、特定技能2号取得もサポートしていく」

~グランドハンドリング分野の人材不足と地方空港の特定技能活用の可能性を広げる~

KV

2024年10月16日(水)、福岡空港を中心に日本全国の9空港において空港ハンドリング事業を展開している西鉄エアサービス株式会社に、PERSOL Global Workforceの紹介でフィリピンの特定技能・航空分野の外国人材2名が入社しました。入社に伴い、本社オフィスにて当日「辞令交付式」が開催されました。

初めての「特定技能」人材の受け入れ

今回西鉄エアサービスに入社した外国人材はフィリピンから来日した、ランディさん、エリックさんです。特定技能を取得するためには、日本語能力試験のN4レベル(※日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。)が必要ですが、お二人は以前技能実習生として日本ではたらいた経験を持つことから、N4よりも高いレベルの日本語で会話することが可能な様子でした。
https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

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辞令交付式が始まると、少し緊張した様子の二人。左、エリックさん 右、ランディさん

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西鉄エアサービス 代表取締役社長の木津さんから、1名ずつ辞令をお渡ししました。

木津社長からは、お二人と辞令交付式を見守った社員のみなさまに向けてメッセージをお送りしました。「当社にとって初めての特定技能人材の受け入れです。受け入れる前に、みんなで特定技能について勉強したし、いろいろ準備もしてきました。インバウンドの増加をはじめ、空港の人材不足はこれから加速化していきます。これまでも技人国(技術・人文知識・国際業務、以下技人国)人材は採用していましたが、これからこの「特定技能」人材をどう育成していくか、また事実上日本で永住でき家族も一緒に日本で暮らすことができる、特定技能2号、こちらへのキャリアアップをどう支援していくかが私たちにとって重要なチャレンジだと思います。皆さん、暖かく迎えてください。そして、お二人もこれから頑張ってください!」

辞令を受け取った二人はそれぞれ、日本語で自己紹介とともに、いまの自分の気持ちやこれからの意気込みをお伝えしました。

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ランディさん:フィリピンから来ました。ランディと呼んでください。みなさまが暖かく迎えてくださって、とてもうれしかったです。日本で3年ほどはたらいた経験があります。でも、グランドハンドリングの仕事は初めてなので、自分で判断する前に、先輩や周りの方々に積極的に質問する姿勢で仕事を学びます。これからもよろしくお願いいたします。

エリックさん:フィリピンから来ました。エリックと呼んでください。私も日本ではたらいたことがありますが、この仕事は初めてなので、みなさん、たくさん教えていただければと思います。また、日本語ももっと勉強して、いまよりももっと日本語でコミュニケーションできるように頑張ります。よろしくお願いします。

ミニインタビュー特定技能・航空分野の外国人材受け入れについて
西鉄エアサービス株式会社 代表取締役社長 木津 勇治

KV

――今回特定技能人材の採用は初めてです。改めて受け入れを決めた理由を教えていただけますか?
一言でいうと、空港の人材不足、労働力不足です。日本政府が2030年までに6千万人とインバウンド拡大の目標を掲げていますが、その目標は、いわゆる成田のような大都市の空港だけではなく、各地方都市の空港も踏まえた目標だと思います。
これまでも当社は技人国人材を中心に外国人材の採用を行ってきましたが、今後さらなる人材確保策が必要だと思い、特定技能の外国人材を採用することになりました。

――いつから特定技能人材を採用するための準備を始められたでしょうか?
まずはコロナ渦が明ける前の、2022年ごろから社内で在留資格についての勉強を始めました。特定技能は2019年度からスタートした在留資格で、当時も航空分野はありましたが、新制度がスタートしてまもなくコロナ渦が始まり、実績や事例が十分ではなく、社内でもそれについてしっかり把握・検討していなかったため、まずは社内でどんな在留資格か勉強する必要がありました。

――これまでも、(技人国の)外国人材は採用されていたということですが、特定技能について改めて準備された理由や背景を教えていただけますでしょうか?
そうですね。少し大まかに表現すると、この「技人国」という在留資格を持つ外国人材は、大学を卒業していて、日本語力も高く、対応や手続きなどに違いはあるけれど、外国人材というよりもほぼ日本人採用に近い感覚でした。もちろん任せる仕事の種類・範囲(権限)も日本人採用時とほぼ変わらない。
でも特定技能の場合は、まず空港業務の中でもどれを任せられるか、業務の細分化やチェックが必要です。成田空港のような巨大空港の場合、その規模だからこそ、業務の細分化と切り出しが進めやすく積極的に「特定技能」を活用してきたと思います。ただ、地方空港の場合、さまざまな業務を跨ぎ、包括的に対応しているケースも多いため、しっかり確認する必要がありました。
もう1つの理由は、日本語力です。空港業務は、ひとつひとつが徹底したマニュアル厳守・指差し確認の世界であり、この分野ならではの特殊な用語を使うケースもたくさんあります。日本人同等の日本語力を持っている技人国人材と違い、やはり特定技能の場合、日本語はもっともっと勉強してほしいレベルなので、人材を受け入れた際には多言語マニュアルや研修などカバーできる施策を考えると同時に、これからの日本語力の向上も考える必要があったのです。

KV

――特定技能の2号拡大の報道がされていますが、今後今回入社した人材への期待することや会社としての育成方針について聞かせていただけますか?
まずは2名とも航空分野の仕事は初めてなので、入社後研修から始め少しずつ仕事に慣れていただきたいと思います。彼らの日本語力はまだまだ頑張ってほしいと思いますが、一方でフィリピン出身というのもあり、英語は日本人社員よりもはるかに高いレベルです。空港、特に国際線は、業務中に英語を使うケースもあるため、そういう時には彼らが戦力になれると思いますし、日本人社員への刺激にもなると思います。
今後、来年の夏をめどに、PERSOL Global Workforceのご紹介で、追加で特定技能人材を受け入れる予定です。その頃には、特定技能人材の先輩として新しく入社する彼らをリードしてほしいですし、いろいろフォローしあえるように成長してほしいです。
特定技能2号を取得すると事実上、日本で永住することも可能ですし、フィリピンの家族を日本へ召喚し、一緒に暮らすこともできます。みなさまには、まずは5年間頑張っていただきながら、2号取得のために会社としてもオリジナルの研修実施やサポートを考えています。
 


KV

改めて日本での生活を楽しみにしながらも新しい仕事に少し緊張していたお二人。それでも笑顔が消えることはありませんでした。ランディさん、エリックさん、お二人がこれから日本の空港を支える人材として成長し、キャリアアップしていくことを応援します!

※本記事の掲載している内容は、掲載日を基準としています。