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2024年12月13日
外国人材を採用してよかった、ではなく「私たちの戦力になる人材」を採用できてよかった!いまはそう思います。
~社会福祉法人豊生会 特定技能・介護編~

「日当山の家」施設の前で
鹿児島空港から車で20分ほど離れたところに位置した日当山の家。こちらは、社会福祉法人豊生会が運営する地域密着型の小規模特別養護老人ホームです。豊生会は、介護分野における採用難、今後さらなる介護人材の不足に直面すると考え、法人で運営している各施設にて、積極的に外国人材を採用しています。今回はこちらの施設ではたらいている2名のインドネシア人材に話を聞きました。
利用者さまが感謝の気持ちを言ってくれる時が一番うれしいです。

デジャンさん
――みなさん、自己紹介を簡単にお願いいたします。
デジャンさん:初めまして。デジャンです。インドネシアから来ました。いま27歳です。
イフさん:こんにちは。イフです。インドネシアから来ました。いま29歳です。
――いま日本にきてどれくらい経ちましたか?またどんな仕事をしていますか?
デジャンさん:いま2年目です。介護の仕事をしています。お風呂介助とか、食事介助をしたり、利用者さまの生活を支援したりする仕事です。
イフさん:6カ月たちました。介護の仕事です。おむつ交換とか、食事介助の仕事です。
――仕事で嬉しかったこと、楽しいことは何ですか?
デジャンさん:「ありがとうね~」と利用者さまが感謝の気持ちを言ってくれる時です。
イフさん:私は介護の仕事が好きなので、この仕事ができることがうれしいです。
――仕事で、大変なことありますか?
デジャンさん:利用者さまが多い日、でも(はたらく職員が)少ない時です。仕事がたくさんあるので。
イフさん:私の日本語がまだまだですから、間違うことがたくさんありまして、大変でした。聞き間違ったり、言い間違ったり。

イフさん
――日本人の先輩(職員)と一緒に仕事するのはどうですか?大変なことありますか?
デジャンさん:最初から、(私が)何も知らない時、1から10まで全部教えてくれて、いままでずっとみんな本当に優しくて、それがうれしいです。
――いまは日本に来た時よりも、仕事ができるようになりましたね。
デジャンさん:はい、仕事もできるようになりましたし、日本語もできるようになりました。
――イフさんはどうでしたか?
イフさん:私が初めて来たとき、私はこの仕事(介護)をやったことなかったんですが、みんな教えてくれて本当にうれしかったです。大変だったけど、でもいまは心配ないです。
――来るときは心配してたんですね。
イフさん:はい、ちゃんとできるかな?どんな仕事かな?と心配していました。でもいまは心配ないです。
――日本ではたらこうと思った理由を教えてください。
デジャンさん:昔から日本のアニメが好きだったので、それがきっかけで日本に来たいと思っていました。文化もいいし、美しい国だと思っていました。だから機会があったら日本に来たいと思っていました。一番好きなアニメはNARUTOです。(笑)
イフさん:日本ではたらいたり、生活するのは私の小さい時からの夢でした。日本のロックバンド、ラルク(L'Arc〜en〜Ciel)を見た時からずっとそう思っていました。
――介護の仕事をしようと思った理由を教えてください。
デジャンさん:昔から人を助けるのが好きだったので、(介護の仕事は)利用者さまの生活を助ける仕事なので、介護の仕事をしたいと思いました。
イフさん:人にやさしくする仕事がしたかったからです。
デジャンさん:あと、介護の仕事はほかの仕事に比べて、「日本語を話す」仕事だからです。それが一つの理由です。

――いま特定技能の在留資格ですが、合格するまでにどれくらい勉強しましたか?
デジャンさん:7カ月くらい勉強しました。実用日本語検定A1レベルの時、(テスト点数が)満点でした。
イフさん:5カ月くらいです。
――日本語の勉強はいつから勉強しましたか?トータルでどれくらい勉強したか教えてください。
デジャンさん:実は私は高校生の時から勉強していました。アニメが好きだったので独学で勉強していました。今も動画を見たり教科書を見たりしながら、勉強していました。
イフさん:2年くらい前から勉強しました。いまもオンライン講義を見ながら勉強しています。
――今年12月の日本語試験は受けますか?
デジャンさん:今回は受けないです(笑)来年7月の試験を受ける予定です。
イフさん:僕も今回は受けないです。まだ日本に来て半年くらいなので…覚えていない漢字もたくさんあるので…まだ自信がないです(笑)
――これからどれくらい日本ではたらきたいですか?
デジャンさん:これから、少なくても3年以上ははたらきたいです。
イフさん:いまはまだわからないですが、とりあえず5年間はたらきたいです。
――今後の目標があれば教えてください。
デジャンさん:近い目標はまず介護福祉士を目指したいと思います。難しいですが、頑張ります。もっと遠い目標はまだ考えていないです(笑)
イフさん:私も介護福祉士になりたいと思います。
「我々の戦力になる人材が採用できてよかった」と、そう思います。

日当山の家 管理者 石塚さん
――よろしくお願いいたします!
はい、日当山の家 管理者の石塚です。よろしくお願いします。
――早速ですが、外国人材お二人の仕事ぶりはいかがでしょうか?
デジャンさんは、もう去年の8月から(同法人の)みゆき苑 に来られて、12月にこちらの日当山の家のほうに異動になりましたが、日本語も最初から話せましたし、利用者さまのお名前を覚えるのも早かったです。おむつ替えやほかの業務も覚えることが早くて助かりました。夜間勤務ができるようになって、いまはタブレットを使った利用者さまの記録も日本語でできるようになりました。イフさんは、4月からなので日本語の理解というのはもうちょっとかな?というところはありますが、ほかの職員に対して笑顔で接して、コミュニケーション能力はあると思っています。
――ありがとうございます。いま日本語力のほうをメインで話していただきましたが、「介護」の仕事としてはどうでしょうか?
デジャンさんは、特に心配することもないです。痰の吸引は資格がないとできないですが、本人が介護福祉士を目指すのであれば、実務者研修も含めて、資格が取れるようにサポートしていきたいと思います。イフさんはおむつ交換とか、移乗などは問題なくされていますし、個浴も問題なく任せられますが、特浴はこれから指導が必要かなという風に思っています。

食事介助をしている二人
――利用者さまや既存の日本人職員(先輩)との関係性はいかがでしょうか?方言のこともあると思いますが…
二人とも笑顔で接していて、丁寧な日本語を使っていて全く問題ないと思います。方言に関しては、利用者さまもそんなに方言を使っていることではないので二人とも方言が聞き取れないなどの問題はありません。日本人職員に、できるだけきれいな日本語で伝えてほしいと話しているので、特に先輩たちと話す中で聞き取れないことはないと思います。最初は、意識せず早口で話していたこともありましたが、徐々にお互い歩み寄り、いまは大丈夫です。
――いまはお二人とも慣れてきて大丈夫だと思いますが、最初受け入れて大変だったことなどはありますか?
やっぱり文化(習慣)の違いはありますね。お二人とも宗教の関係で、お祈りの時間がありますが日本にはない文化なので…、例えば忙しい時でもその時間に抜けてしまうと、職員のみなさんから不満の声もありました。いまは理解しているのでむしろ先輩から「(祈りの)時間は大丈夫?」と声をかけています。
――受け入れをして、想定とギャップを感じたところはありますか?
そこまで、日本人の若い男性とあまり変わらないかなと思います。むしろもっと礼儀正しいと思うくらいです。
――日本語力のギャップはなかったでしょうか?例えば面接のときはやはりしっかり準備して臨むのでしっかり受け答えできていたけれど実際はたらき始めたら日本語力が想定と違ったとか。
うーん、そうですね。最初指導していくときに本当に「大丈夫?(理解できている?)」と思ったことはありました。実はこれは、こういうことだったけれど、この意味でちゃんと理解できているかな?とあとで聞いてみるとやっぱりわかっていなかった(理解できていなかった)ということはよくありました。「わかりません」ということをあまり言えない文化なのかなと思いました。
――最近は改善されてますでしょうか?
はい、介護主任のほうで指導していますが、最近は改善されたと聞きました。
――いままで一時帰国とか、休みを長期で取ったことはありましたでしょうか?
デジャンさんは有休を使って、半月くらい帰国していました。
――ご調整、大変だったのではないでしょうか?
そうですね。大変でしたが、彼らの希望に沿って調整しました。デジャンさんは1年以上自分の家に帰れてなかったので。日本人の職員も5~6日ほどまとめて休みを取ることもあるので、その部分はお互い理解しながら調整しています。

今後介護福祉士を目指すと語った二人
――外国人材を採用してよかった!と思うところがあれば教えてください。
そうですね。あまり普段考えたことないですね。外国人だからどう、ということは意識的に考えたことがないというか、ある意味、私たちの施設に戦力になる人材を確保することができたのはよかったと感じています。
最初の3~4カ月のフォローは大変ですが、その後は一人で夜勤も任せられるようになったりできることが増えましたので…良かったと思っています。
――一番良い感想かもしれませんね!本日インタビューありがとうございました。
ありがとうございました!
※本記事は、2024年10月の情報をもとに作成した記事です。