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2025年7月31日
初めての特定技能で、インドネシア人材を6名採用!「南国交通」の入社式を取材!
~人材不足で逼迫していない今だからこそ採用!しっかり育成・定着のノウハウを蓄積したい~
先日2025年7月1日に、南国交通の本社(鹿児島市)にて、6名の特定技能人材の入社式が行われました。1941年創業の南国交通は、鹿児島市に本社を置き、安全を最優先に「事業を通じて社会に貢献する」という理念のもとバス事業を中核に、空港ハンドリング、旅行代理店、不動産事業を展開しています。
今回入社した6名は、全員インドネシアの方で、人材不足が年々深刻化していく、空港業務(グランドハンドリング)を担当することになります。今回の記事では、入社式の様子とともに、南国交通さまおよび外国人材6名の話を伺いました。
6名のインドネシア・特定技能人材が入社

2025年7月1日(火)に鹿児島市にある、南国交通本社にて行われた入社式は、岩切社長からの辞令交付とともに、今回入社した人材のこれからの抱負を発表する場となりました。6名の人材はインドネシアの正装「バティック」で出席しました。

岩切社長は、「早く日本の生活、仕事になじめるように支援していきます。みなさま、安全第一で楽しくはたらいていただきたいです。」と励ましの言葉を送りました。南国交通の公式キャラクター にゃんごくん も入社式に参加し、少し緊張している6名を応援しリラックスムードを作ってくれました。

【入国当日の様子】
インドネシアから6名の人材が日本に来日したのは、7月1日の入社式より少し早い6月24日。鹿児島空港では、これから一緒にはたらく日本人社員の皆さんがグランドハンドリングの服装、インドネシアの国旗、ウェルカムボードなどを持って迎えていただき、6名は終始笑顔で日本での新しい生活をスタートすることになりました。
インタビュー:初めての特定技能人材の受け入れは、「いまだからこそ」の決断
入社式の後、今回の外国人材の受け入れに関して、南国交通 取締役 航空事業部長 松下さまにお話を伺いました。

南国交通株式会社 取締役 航空事業部長 松下 徹さま
Q.今回の外国人材の採用が初めての受け入れでしょうか?
――特定技能の外国人材は、初めてです。また海外から直接弊社に就業するため来日されるケースも初めてです。
これまで鹿児島県内の大学を卒業した留学生や、技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留資格を持つ方の採用はありましたが、特定技能の在留資格を持つ外国人材を受け入れるケースは初めてです。
Q.特定技能の人材は初めてなのですね。それではなぜ今回のタイミングで「特定技能」の外国人材の採用をご検討されたでしょうか?
――現在、労働力不足で逼迫している状況ではない今だからこそ外国人材の受け入れに一番良いタイミングだと思いました。
これからの人口減少、それに伴う将来の労働者減少の懸念は当然ながら持っていました。また、空港ハンドリング事業はこれからのインバウンド増加、空港や地域の発展を考えると継続していかなければいけない事業でもあります。
現在それほど人材が逼迫する状況ではないものの、いずれ日本人の採用だけでは難しくなる時期は必ず来ると考えた時、いまこそが、外国人材を受け入れる時期だと判断しました。しっかり指導・サポートを行う体制が組めますし、こちらも(逼迫している状況でないからこそ)余裕をもって育成することができるのではと。
将来もっと積極的に外国人材を受け入れないといけない、本当に人が足りなくなった頃には、いまの彼らがすでにこの会社と各自の業務に慣れてもらっているので、次の後輩たちを引っ張ってくれる立場にもなってもらえると思いました。
Q.確かに、その通りですね。一方で、今回6名を同時に採用されていますが、こちらの理由もうかがえますか?
――採用するのであれば、複数人がいいと思いました。弊社はさまざまな航空会社の仕事を受託しており、各社の空港業務における現状と取組状況なども踏まえて6名を採用しました。
ただ、確かに1回の採用でしかもグランドハンドリングの業務で6名はなかなか珍しいケースのようで、周りの同業他社さまからも、今度一度話を聞かせてほしいなどの声もいただいております(笑)。
Q.今回6名全員インドネシアの方ですが…
――あえて国籍をこだわったことではありませんが、同時に複数人採用したのは、1名よりは数名一緒に入社したほうが寂しくないし、お互いサポートしあえると思ったからです。鹿児島県には定期便が就航している7つの空港があり、離島の生活に飛行機(コミューター機)は欠かせない存在です。いわゆる、生活路線ですね。
多くの島々で構成されたインドネシアと似ているところがあると思いました。いずれみなさんが、母国に帰った時に、今回日本で身に着けた経験や仕事のスキルが、彼ら自身の母国との懸け橋になれば良いと思います。
(7つの空港:種子島空港・屋久島空港・奄美空港・喜界空港・徳之島空港・沖永良部空港・与論空港)

Q.初めての特定技能採用… 検討段階や採用の時、不安や悩んだことはあったでしょうか?
――コミュニケーションのところは、やっぱりある程度ハードルがあると思っていました。日本語力はN3~4レベルの方々なので、専門用語の多い現場でもあるため、そこの懸念はありましたね。ただ、仕事は実際現場に着地してみないとわからないところが多い。やっぱりそうなると、繰り返しになりますが、いま人が足りなくて大変な状況の時に受け入れるのではなく、まだ組織に余裕があるときに受け入れて、関係性づくりから始めてしっかり育成方法や方向性を工夫すべきだと思いました。今後のためにノウハウを蓄積していきたいと思いました。
受け入れを検討し始めたのは、1年ほど前です。昨年10月現地に通訳を介した上でのオンラインによる会社説明会を実施しました。そこで当社に興味を持ってくれた人材と11月に面接をし、内定が決定した流れです。初めての手続き・プロセスも多かったですし、面接は現地とリモートで行ったため、言葉がうまく伝わるか不安でしたが、面接前に留意事項などPERSOL Global Workforceさまからガイダンスしていただき、現地の通訳の方にも手伝っていただけましたので、スムーズに行うことができました。
Q.外国人材の受け入れに向けて何か準備したこと、工夫したことがあれば教えてください。
――2024年11月に内定を出した後に、彼らが生活する住居環境の準備を始めました。そのほか受け入れ企業が行うべき定着支援業務に関しては、登録支援機関でもあるPERSOL Global Workforceさまと準備いたしました。また、各航空会社にも相談し、すでに多くの外国人材を受け入れている成田空港の業務視察を行いました。外国人材とどう接して、どう指導を行うべきか、各社の人事担当者、現場責任者の方々に貴重なご意見、情報をいただくことができました。また、漢字や人名に苦手な外国人材のために、現場のみんなが着用するヘルメットにふりがなを付けるなどの細かい工夫もとても勉強になりました。更に実際に業務されている特定技能外国人の方々ともお話をする時間を作っていただき、生活面も含めたお話を伺うことができました。
Q.採用が決まった後、日本人従業員のみなさまからの反応はありましたでしょうか?
――空港には本当にたくさんの人が働いていて、年齢も若い20代の職員もいれば経験を積んだベテランの方々もいます。彼らから何か特別に意見がでたり、反応はありませんでした。一緒に仕事する皆さんが不安を感じないように、こちらからもしっかり情報を共有してきましたので、あとは実際に働きながら慣れてもらえればと思っています。
Q.今回採用した6名の皆さんに期待することや、今後のキャリアプランなどがありましたら、ぜひ教えてください。
――まずは、生活と仕事に慣れてもらい、日本で楽しく仕事していただきたいです。慣れない土地での生活・仕事なのでできる限りのサポートはしていきたいと思いますが、健康には本当に気を付けていただきたいです。空港現場での仕事は、本当に夏は暑く、冬はとても寒いので、体調管理も大事な仕事と考え取り組んでほしいです。いずれにしても、日本での経験が、そしてここ鹿児島、南国交通での経験が皆さんの人生において、とても大切な経験、良い記憶に残ればと思っています。
今後特定技能『航空』部門を、活用する企業は増えていくと思います。特に地方の空港にとっては、これからだと思います。6名の特定技能人材が同時に入社したケースはとても珍しいため、これを機に育成・定着のノウハウを確立し、業界の皆さまに貢献できる良い先行事例として発信していきたいと考えております。
これまでの経験も、これからの夢も6人6色。
共通しているのは、「これから日本でたくさん学んで仕事したい」という気持ち。
次に、今回入社した6名のみなさまに話を伺いました。6名の皆さんは、全員インドネシアの方でしたが、日本での生活・滞在経験、これまでの仕事、年齢などそれぞれ少しずつ違うバッググラウンドを持つ方々でした。共通しているのは、これからの新しい仕事や生活への期待感、また、日本語で出来る限り一生懸命に質問に答えようとする姿でした。

左上から時計周りで、ハエラトさん、アリムさん、レナルさん、リザルさん、スリョさん、レファンさん

リザルさん、ハエラトさん、アリムさん
Q.日本ではたらきたいと思った理由を教えてください。
リザルさん:日本で働きたいと思った理由は、日本はとても発展している国で、学べることがたくさんあるからです。生活や文化にもとても興味がありますし、アニメも大好きです。以前、日本語学校に通ったこともあります。
ハエラトさん:日本で仕事したい一番の理由は、日本の皆さんの仕事のやり方(仕方)を学びたいからです。また、日本の文化も好きです。ずっと日本で住んでみたいと思っていました。
アリムさん:高校生のときから、日本で仕事することに興味がありました。高校を卒業したあとは、朝から夕方まで仕事をして、夜の6時から11時までは大学に通っていました。その間に日本に行くための準備も頑張りました。日本ではたらくのは今回で2回目ですが、今回はもっと頑張りたいと思います。

スリョさん、レファンさん、レナルさん
Q.みなさん、特定技能の在留資格はどれくらい準備しましたか?
レファンさん:私は6カ月くらい勉強してN4のレベルを取りました。これからはN3を目指したいです。これからも仕事が終わったら1~2時間くらいN3を目指して勉強したいと思います。
スリョさん:私は、年末にJFTの試験を受けました。毎日2時間くらい勉強して、朝の1時間は単語を覚えていました。
皆さん:やっぱり日本語は漢字が本当に難しいです…!
Q.先ほど南国交通のみなさまから、「社員寮」を準備されたと聞きましたが、部屋はどうでしたか?日本の町の雰囲気や生活などについても教えてください。
みなさん:6月24日に日本につきました。
スリョさん:いろいろな設備もたくさんあり、きれいです。
リザルさん:私たちの部屋はとてもきれいで、雰囲気もいいですし、空気もきれいです!あとは設備もいっぱいあります。
Q.皆さん仕事以外に日本でやってみたいことはありますか?
リザルさん:私は以前、日本に住んだことはありますが、スキー場に行ったことがないので、スキー場に行ってみたいです。
ハエラトさん:私は富士山に登ってみたいです。
レナルさん:私は種子島の宇宙センター(※宇宙科学技術館)に行ってみたいです。
アリムさん:私は趣味が旅行することなので、いろんなところに行ってみたいですがまず桜島に行ってみたいです。
レファンさん:私もスキーをやってみたいです。あと、東京にも行ってみたいです。
スリョさん:僕はどこにも行かずのんびりします(笑)
Q.これからの抱負や仕事についての考えを教えてください。
レファンさん:航空の仕事は初めてなので少し心配ですが、周りの方をたくさん見て、いっぱい学びたいです。
アリムさん:空港で仕事をするのは初めてなので、心配なことはたくさんありますが、わからいないことは先輩たちにもう一度確認します!
リザルさん:言葉が一番心配です。航空の言葉は専門的で難しいので、心配ですが頑張ります。あと、日本語の勉強も続けてN3がとれるように頑張ります。
ハエラトさん:私はやはりコミュニケーションが心配です。たとえば、先輩が私に伝えてくれた時に、わからないときが心配です。でもわからないときはちゃんと聞きます。
レナルさん:一番心配なことは、日本語をまだ勉強中なので言葉が心配です。日常会話も心配です。
スリョさん:私は日本に住むのは初めてなので、毎日日本語を勉強して、会話も練習します。
これから仕事が始まる6名の人材のみなさん。実は、最初PERSOL Global Workforceからの「日本での生活に不安なことはありますか?」という質問に、「不安なことは全くない」と答えていたのですが、インタビューの終盤に、やはり「日本語」「コミュニケーション」の心配があることを話してくれました。これは、人材を受け入れした企業、南国交通のみなさまの考えとも通じるところがあり、単に日本語スキルの面だけではなく、「組織に溶け込み、いろいろな方々とコミュニケーションができること」が定着のカギであることがわかる場面でした。
PERSOL Global Workforceは、特定技能を中心に、日本の企業と外国人材のマッチング(紹介・派遣)および登録支援機関としてさまざまなサポートを行っています。また、人材の定着に関するさまざまなノウハウも持っていますので、人材不足、外国人材の採用や定着に関する悩みのある方は、ぜひお問合せください。